2011年5月18日水曜日

東大生は「インパクトダイナミクス」に取り組んだ.第1回i.schoolワークショップ⑤




いよいよ未来イシューとスキャニングによる社会変化仮説の両方を使うときがきた.

いままでのおさらいをすると,
まず最初に参考図書,フィールドワーク,有識者の講演から
日本の農業に関する課題を得た.
そしてその課題を演繹推論によって得らた未来の状況が「未来イシュー」であり,
FACT(即知)とFAITH(知らないということを知っている)領域からの未来洞察だ.

次に日本の農業に対する考えを一度捨て,
インパクトが強いと思われる未来観(ニュースや視点)を収集し,
それを直感で選択するスキャニングを行った.(今回はミニ資料の選択のみ)
このスキャニングからの帰納推論にとって得られるのが「社会変化仮説」.
これはFEAR(知らないことすら知らない)領域からの未来洞察ということだ.

この未来イシューとスキャニングの2つを掛け合わせると,
FACT(即知)領域
FAITH(知らないということを知っている)領域
FEAR(知らないことすら知らない)領域
の全てを網羅することができる.
それこそが「インパクトダイナミクス」だ.

さておさらいが終わったところで,
インパクトダイナミクスのディスカッションの流れについて紹介する.

まず,ホワイトボードに横軸に未来イシューをそれぞれ書き込み,
縦軸には社会変化仮説をそれぞれ書き込む.(トップ画像参照)
これで準備はOKだ.

インパクトダイナミクスでは,この作成した横軸と縦軸を掛け合わせることで,
日本の農業の未来のシナリオのアイデアを強制発想する.

この強制発想はまず個人ワークから始めるのがポイント.
それぞれがポストイットを持って,とにかくできるだけ多く強制発想をする.

私たちのチームでは約1時間ほど,この個人ワークをとった.
どこでやってもアイデアさえ出せば問題ないので,外に出て発想する人もいた.
要はアイデアさえ出せるのであれば,個人ワークであるのでなにしてもよい.

1時間後チームで再集結し,お互いのアイディアを表に貼って共有した.
そして個々のアイデアの関係性を考えながら,日本の農業の未来像について考える.
ただし,そのときのアイデアには以下の注意が必要だ.
①具体的な生活シーンでイメージをできるか.
 いくら面白いからといって,具体的なシーンが思い描けない場合は非現実的だ.
②一般論ではなく,リアルな生活者の視点で発想すること.
③アイデアがどの未来イシューと社会変化仮説を掛け合わせて発想したのかわかること

いままでの未来イシューや社会変化説では,
日本の農業の未来の具体的なアイデアは出してはいけなかったので,
好きなだけアイデアを発想していいインパクトダイナミクスの時間は,
アイデアがポンポン出て,これ以上にないほど楽しい時間と思っていた...

しかし,不思議なことにさっぱりアイデアがでない.
そう,この強制発想.左脳思考が強い人だと案外難しいのだ...
これはかなり予想外であった.

さらに個人のアイデア出しが終わってから,
グループワークとして個々のポストイットから関係性を考える...
これも非常に難しく,ここにきて初めて沈黙がチームを包んだのだった.
さて,どうすればいいのだろう.

東大生は強制発想のあるべき姿を考えた.へ続く...

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