2011年8月26日金曜日

東大生は「未来イシュー」に取り組んだ.第2回i.schoolワークショップ②

DAY 1で「ゲーム」というテーマについての導入ができたところで,
続いてDAY 2では「未来」について考えていくことになる.

その手法は第1回ワークショップでも使われた「未来イシュー」だ.

DAY 2 LECTURE "FUTURE ISSUE"
目的:テーマの未来ついての理解を深める,未来イシューを策定する
手法:未来イシュー

ステップ①「未来のゲームレクチャー」
ステップ②「未来イシューの策定」
ステップ③「全体共有」

未来イシューとは,
未来に起きる出来事(イシュー)の争点や初期仮説,
およびそのイシューが実現する分岐点(フラクチャーポイント)が
なにであるかを明らかにすることだ.

前回のワークショップでは事前に課題図書を読んできたり,
農業のフィールドワークをしたりしたが,
今回はゲームの業界に詳しい方から直接レクチャーを受けることによって,
ゲームについての未来イシュー策定する.

さて,そのレクチャーについて少しだけ紹介しよう.

ステップ①「未来のゲームレクチャー」
A. 現実とゲームの境の消滅
まずはじめに2078年のプレステ.
「PS9」についての動画が紹介された.


このように未来は現実とゲーム(仮想)の差がなくなるということだ.
未来のゲームがここまで進化するかはわからない.
しかし,すでに現実でもゲームと現実の境に変化が生じているのではないだろうか.

B. iphoneとアプリの新たなビジネスモデル
iphoneによってゲームのビジネスモデルは変わった.アプリの平均価格は約$1.
これによって既存のゲームソフトは高くなるように感じてしまった.
しかし,一方でアプリゲームは超競争市場を生んだ.
Angry Birdの世界における爆発的ヒットによって,
アプリゲームはヒットしないという神話は崩れた.
ここから世界のゲームの流れが変わった.

C. フラストレーションを利用した課金法
Nothing is better than free!! フリーミアムモデル.
案外みんなお金は払わない!
そこでゲームではフラストレーションを利用してお金をとる.それは,
①待ち時間 ②体力回復 ③武器の破損 ④見せびらかし
そのモデルで成功したのが,mobageやグリーである.

D. ゲームの完全クラウド化.
逆にしない方がおかしいかもしれない.すでにサービスも始まっている.
これが実現すれば,ハードはもはやいらない.
家庭用ゲーム機のビジネスモデルは完全に崩壊.ただ問題は収益化できるかどうか.

E. 人間の脳の鉱脈化
例えば,行動経済学的な視点がゲームに入り込んで当たり前.
ユーザの嗜好性を分析して,ユーザのニーズ以上のウォンツを作り出す.
これによってユーザは抜け出せなくなる.

F. ラピッドプロトタイピング
いままではゲームはプロフェッショナルが長い期間をかけて作成するもの.
しかし,いまはゲームは誰でも作れるようになりつつある.
という感じで,このように非常に興味深い話しのオンパレードであった.

レクチャーを受け,未来のゲームにおけるインスピレーションを得たところで,
未来イシューの策定に入る.

ステップ②「未来イシューの策定」
まず未来イシューを策定するための「イシュー記述シート」が配られた.
非常にシンプルなもので,項目としては3つ
(I)タイトル
(II)これまで○○だったものが、これからは××になる
(III)その理由とディスカッション内容

例えば私たちのチームでは,
(I)もうゲームは始まっている!!
(II)これまでゲームは始るものだったものが,これからは始まっているものになる.
(III)近年流行っているゲームは生活との境が曖昧になものになりつつある.

もう一つ紹介しよう.
(I)職業は「ゲーマー」です!
(II)これまでゲームは娯楽だったものが,これからは職業として成立するものになる.
(III)協力しないとゲームが成立しないときに助っ人が欲しい.
  お金を払ってでもゲームにおける地位を得たい.

<マイ・ポイント>
・「未来に起きる出来事がイシュー」
どうしてもいま起きていることの延長線でしかないアイデアが多くなりがち.
やはり未来に起きる出来事なのだから,いま起きていることにとどまらず,
もうひと飛躍すると面白い未来イシューが策定できるのではないだろうか.

ステップ③「全体共有」
おなじみの全体共有時間.各チームは策定した未来イシューを2,3個発表.

ここでゲームの未来について考えを深めることを一旦やめ,
DAY 3 からは,本ワークショップのメインフレームワークである

0 件のコメント:

コメントを投稿