2011年5月23日月曜日

東大生は未来洞察シナリオを作成した.第1回i.schoolワークショップ⑧



インパクトダイナミクスによって強制発想をし,
その際に注意するべきいくつかの点,
および私たちがとらわれやすい先入観を
チームの異分子を傾聴することで脱することができることを紹介した.
次はそのアイディアを具体化する未来洞察シナリオの作成だ.

未来洞察シナリオとは,「未来の新しい生活機会」の具体化を社会の変化と,
生活者の価値観やライフスタイルの変化との相互作用を考えることで行うことだ.

「未来の新しい生活機会」
=「新しい技術や新しいシステムを取り入れた未来」ということだけではない.
逆に言えば,必ずしも新たな技術やシステムである必要はないのだ.
ある価値がたくさんのユーザによって普及する,
つまり生活にとけ込んだ未来を考える必要がある

注意しなければいけないのは,
未来のこと(今回は10年後)だからといって,
ぶっ飛べばいい.斬新なことであればいい,というわけではない.
やはりリアリティを持って描いたものでないと,その未来になる可能性は低いのだ.
そこで未来洞察シナリオのリアリティを作成する際に,
ぜひ意識しておきたいポイントを2点を紹介する.

①5W1Hを必ず考える
当たり前のことに感じるかもしれないが,
案外5W1Hは見落としやすい.
「誰が,いつ,どこで,なにを,どうやって,なぜ」
未来の人々の生活に影響を与えているのかを考える.
トップ画像はちょうどグループで5W1Hを網羅しているところだ.

②10年前自分はどうだったか/10年後自分はどうなっているかを考える
他人事にせず「自分」を意識するとリアリティは増す.
10年前の自分はどうだったか?10年後の自分はどうなっているか?
そういったことも考える時間を設けてもらいたい.

以上を踏まえて,シナリオの作成をする.構成は以下のようになる.
1. シナリオタイトル(例:「○○な社会の到来」)
2. 登場人物のプロフィール
年齢,職業,価値観など.現時点と10年後の時点を含むこと.
3. シナリオ概要(生活シーン)
「いつ,誰が,どこで,なぜ,何を,どのように」がわかるようにする.

最後に私たちの班のシナリオアウトプットを紹介する.
私たちは,
未来イシュー:農家と民間協力促進+農家の行動パターンが形式知化される
社会変化仮説:インスタント化する畜生
の二つを掛け合わせて,
「農業の成果をギャンブルに転用するNOTO6が畜生に流行る未来」
を描いた.下記写真が作成したシナリオの資料.



このように登場人物,シナリオの概要,ターゲットやビジネスモデルを作成した.
普段はパソコンでパワポなどでこういった資料を作成すると思うが,
i.schoolではそういった方法を基本とっていない場合が多い.
その変わりに行うのがスキットによるプレゼンだ.

スキットとはなにか?なぜスキットによる発表を行うのか?
次回はスキットの説明をしよう.

東大生は未来洞察シナリオをスキットで演じた.へ続く.


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