2010年5月7日金曜日

「完結したプレゼンにするための"So What?"」 第3回イノベーションケーススタディ

今回は課題として,
これから日本企業が直面する不連続な変化を1つ選び

① どこが不連続か(証明)
② なぜその変化に着目したのか(視座)
③ どの産業がどのようなインパクトを受けるのか(推論)

の発表が各班によって行われた.

選ばれたテーマは,
携帯におけるSIMロック解除,移民問題,電気自動車,次世代プラスチック,藻油
と多様であり,興味深いものが多かった.

今回みたいなテーマは,intangibleなものであるが.
コンサルティングでも,
こういったintangibleなテーマは
どのように終わらせるかが一番難しいということだ.

つまり,

「どうやって終わらせるか?」
には注意する必要があるという.

今回,評価が高かった班に共通していたのは,
プレゼンが完結していたことだった.
このように完結したプレゼンにするには,

"So What?"

という問いかけを必ず行うことが重要であるということだ.
今後プレゼンを作成するときは,

"So What?"の問いかけを大切にしたいと思う.

「ありえない講座アントプレナーシップ論」 第1回アントプレナーシップ論

☑ 日本からもヤフーやグーグルを出したい人
☑ 自分でビジネスプランを作ってみたい人
☑ チームワークやビジネススキルを基礎から学びたい人
☑ ベンチャー社長から課題をもらって刺激を受けたい人
☑ 社会に変革をもたらしたい人

そんなことが書いてある学内のポスターに出会った.

セミナー名は
『アントレプレナーシップ論オープンスクール』である.

「理系大学院生向け」
「企業訪問」
「社長との直の対話」
「若手社会人の手厚い支援」

など

しかも,無料!
「あり得ない!」

ここまでいいこと尽くしで,若干怪しい団体では?
とは思ったものの,
最後になるかもしれない学生生活で,
TMIにおける学内活動も大事だが,
学外活動も大事にしていきたいと思っていたところだったし,
どんな人がこんな熱いセミナーに集まってくるのかな.
って思うと参加したくなった.

次回にはさっそく班分けされ,
新しいメンバーとビジネスプランを三か月かけて,
作っていくことになる.
ここで学んだこと,出来事なども,今後書いていきたいと思う.

そんな「ありえない講座」
とは,いったいどんな講座になるのだろうか.楽しみだ.

講座についての詳細は
http://www.openschooljapan.org/

2010年4月23日金曜日

「自らが勝ち馬になれ」 第1回アントプレナー道場

水越 豊氏(ボストン コンサルティング グループ:BCG 日本代表)
を講演者として迎えた.


いままで日本は右肩上がりの成長だった.
国・企業・従業員がお互いにWin-winの関係であり,
幸せのトライアングを作っていた時代.
しかし,この関係は壊れてしまった.
そして,もうこのような時代がくることはない.
少なくとも昔のように大前提になることは考えにくいという.
なぜなら日本の人口が縮小していて,
世界的にみて魅力的なマーケットでなくなってきているからだ.
 こんな時代なのに,今の若い人は意外にメンタイリティが弱い.
みな昔と同じように

「勝ち馬に乗る」

という発想でいる.
つまり,いまどの企業が一番人気か?どの企業が一番安全か?
 どこが勝ち馬か探し,乗ろうとしている。
しかし,このような発想は今の時代ではもう通用しない.
では,どうするか?

「自らが勝ち馬になる」
のである.

自分が勝ち馬でいられるように,
日頃から問題意識を持ち,
自分を磨くのである.

BCGの日本代表として,
数多くのトップ頭脳をもつ部下を管理するのに,

① どの社員からも学びたいと思っている
② 自分がスゴ技を見せられるように,プレッシャーをもつこと



を心掛けているとのことだ.
あなたは現在,
「勝ち馬に乗ろうとしていませんか?」

2010年4月22日木曜日

「学生発ベンチャーが日本を元気にする?」 第1回アントプレナー道場

スタンフォード大学の収入の3割は
基金など投資収入である.

その額は
2009年は$700万

この額の多くは学生発ベンチャーからの寄付であるという.
つまり,お世話になった母校スタンフォード大学に対する感謝の想いなのだ.

そして,大学の収入となったこの資金は再び学生発ベンチャーの育成に使われる.
このサイクルによってより多くの学生発ベンチーが育っていくということである.
スタンフォードからはGoogle,Yahoo,eBayなど,
今の世界を大きく動かす会社になった学生発ベンチャーが多い.
今,東大はこれと同じような仕組みを作ろうとしている.
少しずつ東大発ベンチャーもできているらしく,

また東京大学付属のベンチャーキャピタル・ファンドも設立している.
まだまだ道のりは遠いが,
事業化産学連携本部の各務さんのこの仕組みを実現化することに対しての想いは,
本当に熱いものであった.
「学生発ベンチャーが日本を元気にする」
時代が近いうちにくるのかもしれない.

さて,東大がやろうとしている起業・大学発ベンチャー支援.
その一つとして学生起業家育成プログラムの
「東京大学アントプレナー道場」
公式ホームページはこちらがある.

これは,半年間通してのビジネスプラン・コンテストを目指す教育プログラムで,
今年2010年度で6期目を迎える.

「ビジネスはアウトプットしないと身に付かない」

授業とはまた一味違うこの道場にも参加するつもりだ.
今後,その紹介もできればいいと思う.

2010年4月18日日曜日

「これからはビジネスだけでなくデザインも必要な時代」 春のシンポジウム Aalto大学×東京大学i.school

東京大学では去年の9月から新たな試みとして,
「イノベーションの学校」東京大学i.school
をはじめたということだ.

画期的な価値を生み出す新しい変化,
つまり「イノベーション」を起こす人材を育成し,世に送り出すこと.
年に数回行われるワークショッププロジェクトによって,
学生にイノベーション教育していこうということみたいだ.

その最初のシンポジウム

春のシンポジウム Aalto大学×東京大学i.school
デザインとイノベーションを、「かけ算」で学ぶ。


に早速いってきた.(4月10日)
スピーカー:Perter McGrory,紺野登,堀井秀之
僕の理解では,これからは

Art
Business
Technology

の3つの分野が融合することによって,
新たなイノベーションが生まれることになる.

また,イノベーションが起こせない会社
=しばりが多い会社(日本に多い)

特に,28歳まで意見が言えない企業では,
イノベーションは起こらないという.

こうした企業は今後新たなプラットフォームで,
学生と一緒にプロジェクトをやり,イノベーションを起こしていく.
ということなのかな.


どうしたらイノベーションが生まれる環境ができるのか.
デザインとイノベーションの関係について,学びについて.
僕はよく理解ができなかった.

ワークショップに参加してみるのがベストだと思う.

東京大学i.schoolのそもそもの話しのもとは,
スタンフォードが行っているd.schoolのように,
異領域の人達が集まることで,イノベーションを引き起こしていこう.
ということなのか.

このd.schoolでは,特に将来経営者を志望している学生が多く学んでいるとか.

「今後はMBAのようなビジナススキルだけでなく,
デザインスキルも持たなければ,
時代を変えるイノベーションは起こせないのかもしれない.」


そういえば,早稲田も今年から大学院に「経営デザイン」という名の専攻を作った.
これからの時代の流れとして

「デザイン」と「イノベーション」
がキーワードになってくるのかもしれない.

2010年4月17日土曜日

「分けて考える(対比する)」 第2回イノベーションケーススタディ

最近日本企業が負ける一つの要因として,

「意思決定が遅い」こと
また,最終的に

「どこまでリスクをとるのか?決めることができなかった.」
ということが問題としてあるのではないかという話しがあった.

どこまでリスクをとるのか決められないと、

「相手が選んでくれればハッピーという考え.」
に落ち着いてしまう。これでは勝てるはずがない.
一方で成功している企業の多くは,
経営者個人のカリスマにかかっているという指摘もあった.

前回の課題として出た,
「経営とはなにか」に対してだが,まず,

「経営とはなにか?分けて考える(対比する)」
が良いということである.

例えば,
「本社の役割とは?」の問いに対して、

「逆に本社がなかったらどうなるか?」
を考えてみると良いということである.

ちなみに,
経営とは「決める」こと
が先生の回答であった。

次回までの課題
IBMのSmarter planetまたはGEのEcomaginationについて,
① どのような概要か説明すること(事実)
② ビジョンの意義について考察すること(意見)

2010年4月15日木曜日

「なにをしたいのかわからない」学生と会社 第2回イノベーションケーススタディ

「最近の若者はなにがしたいのかわからない」
ということだ.

たしかに,同世代の学生に将来なにをしたいのか?
と聞いても,自信を持って答える人数は少ないだろう.
僕もはっきり言えるかと聞かれると,少し考え込んでしまう.

しかし,実はこの状況は学生以外でも同じ状況を持つものがいるという.
それは…

「日本の会社である.」
今の日本の会社が直面している状況と学生の状況が似ているということである.
いままでは、日本の会社はトップになろうと,
ずっと目標に向かって必死に走ってきた.そして念願のトップにたどり着いた.
それは,すばらしいことである.

しかし,同時に会社は目標を失った. 

日本の多くの学生は「大学」という目標に向かって必死に勉強をする.
そして,大学に合格する.

しかし,同時に目標を失ってしまい,勉強をしなくなる学生も多い.

これより,

「学生と企業の今の状態は非常に似ている.」
という考えには納得いくところがある.

今の日本の会社の状況について述べる前に,

「まず学生・若者に将来なにがしたいのか.」
についてはっきり答えられるようにしなくてはいけないのかもしれない.

2010年4月14日水曜日

「現役に活躍していたスポーツ選手が素晴らしい監督になれるわけではない」 第1回イノベーションケーススタディ

この授業では,企業(三菱UFJ信託銀行、ATカーニーなど)の方が講師をしていただき,
イノベーションマネジメントに関する実体験を行うということである.

第一線で活躍する講師陣による講義,ケーススタディ,グループワークを通じて
ビジネスの現場における理解を深めることを目的としている.

現場におけることが重要視されているのは,
僕たちTMIの学生の大半が社会に出たことがないためである.

今の日本では,経営者が育っていないことが問題の一つとしてある.
しかし,

「現役に活躍していたスポーツ選手が素晴らしい監督になれるわけではない」
ことと同様に,
仕事をしたことがない僕たちでも本講座によって,
将来の経営者になれる「かも」しれないということである.
◇授業メモ
・「技術に優れる日本企業がなぜビジネスで負けるのか」
・TMI正解がある問いを解くのはうまいが、解のない問いは解くのは苦手ということだ.
したがって,自分で考えること大事である.
・我が国の輸出依存度は実は低い
・日系企業は低収益体質


課題①「日本企業は何故グローバル競争で負けるのか?事例を示し,その理由を考察しろ」

課題②「経営とはなにか?」
「経営とは○○だと思う.なぜならば…」を自分の言葉で表現しろ.


2010年度 授業スケジュール4月6日(火):オリエンテーション
・ 産学連携プログラムの趣旨
・ 協力企業の紹介
◆ATカーニー
◆三菱UFJ信託銀行
・ 講義の流れ、成績評価方法など

【ATカーニー】
4月13日(火):日本企業が直面している技術課題
(山本直樹氏:ATカーニー、パートナー)
・ オリエンテーションと各回の概要の説明
・ 次回に向けた宿題の提示

4月20日(火):経営戦略と技術戦略
(山本直樹氏:ATカーニー、パートナー)
・ ITメーカを事例に、経営戦略と技術戦略の整合のとりかたについて議論する
・ (ケース)IBM, HP, SUN, DELL, マイクロソフト

4月27日(火):産業構造の変化と求められる対応
(山本直樹氏:ATカーニー、パートナー)
・ 技術進化が携帯端末の産業構造にどのような変化を与えたかを分析し、これらの変化への対応の巧拙が各社の業績にいかに影響を与えたかを探る
・ (ケース)Nokia, Samsungと日系メーカ

5月11日(火):成熟期における成長戦略とR&D
(山本直樹氏:ATカーニー、パートナー)
・ 市場や産業が成熟した環境下において、いかにして成長をドライブしていくのか。そうした中でR&Dの果たす役割について議論する
・ (ケース)移動体通信事業

5月18日(火):日本企業の成長戦略
(梅澤高明氏:ATカーニー、パートナー、日本代表)
・ これまでの議論の纏めとして、国際競争下における日本企業の成長戦略を探る
・ 企業成長のドライバーを類型化しながら、それぞれのベストプラクティスから戦略策定/推進の要件を探る

【三菱UFJ信託銀行】
5月25日(火):信託の仕組みとSRI
(加藤正裕氏:三菱UFJ信託銀行投資企画部主任調査役)
・ 信託の仕組み
・ SRIを取り巻く環境
・ SRIファンドの潮流
・ SRIファンドの今後の方向性
・ 今後の検討課題
・ ディスカッション

6月1日(火):買収防衛を巡る状況(1)
(田中邦晴氏:証券代行部ストックソリューション室室長)
・ TOB規制の概要
・ 買収防衛策の導入(新規・継続)事例とその傾向
・ 買収防衛策に対する投資家・株主の評価
・ 買収防衛策の限界と企業側の取組み
・ 敵対的買収攻防の実際(事例研究)
・ 次回ケースの紹介

6月8日(火):買収防衛を巡る状況(2)
(田中邦晴氏:証券代行部ストックソリューション室室長)
・ ケーススタディ(課題は6月1日の講義で提示)

6月15日(火):退職給付会計と年金制度(1)
(中込信之氏:年金コンサルティング部調査役、年金数理人)
・ 退職給付会計の概要
・ 退職給付会計が企業財務に与える影響
・ 年金制度の見直し(給付減額と受給権保護)
・ 年金制度の見直し(事例研究)
・ 次回ケースの紹介

6月22日(火):退職給付会計と年金制度(2)
(中込信之氏:年金コンサルティング部調査役、年金数理人)
・ ケーススタディ(課題は6月15日の講義で提示)

【ケーススタディ1日コース】
6月29日(火):味の素:内容についてはTBA

7月6日(火):経済産業省:内容についてはTBA

2010年4月12日月曜日

技術経営戦略学基礎(ブートキャンプ)の授業メモ③

4月8日(木)
2限:社会と技術
技術経営戦略ってなに?
・技術経営(MOT)は実務に近く,現場サイドの要求が強く,アカデミックな分野として成立させるのは困難.
・実務に近いため,現場を知らないと学ぶことは難しい.
・したがって,国の視点から技術の戦略を考える必要がある.そのため,この専攻名に「戦略学」が含まれている.
・技術とは「知識の蓄積と活用」
・生産性が高くしていくと,国として成立しなくなる.ドバイなどの小国は例外.
・「生産性が高くなる=人を切ること」を意味する.
・日本は外からみると儲かっている.でも,国内は不景気という変なことが起きている.
・知識集約型=創造性に価値がある
・日本のように人口が減少している国で生き残るには,付加価値が高いものをやらないといけない.
・コストをかける=セキュリティがある.
・従来:役に立つ物ができる=付加価値がつく
 現在:役に立って当たり前=付加価値がつかない
・メーカは差別化したいが,もはやマーケットをコントロールできない.
・経営は勉強では身に付かない.
・2番手戦略が通用しない時代.Winner takes all.
・「マスコミは嘘はつかないが,必要なことも言わない.」素人の僕たちは気をつける必要がある.
・仕組みによる無意識の社会貢献が必要

3,4,5限:環境・エネルギー学入門
・我々のやるべきこと
① 日本における再生可能エネルギーの導入量の最適化
② コストパフォーマンスに優れたオリジナル政策の立案
③ これらの裏付けデータ調査とシミュレーション
④ 政策に制御工学・システムダイナミックス・均衡理論を取りこんで社会に貢献していく

4月9日(金)
2限:財務会計の概念
・「収益」「費用」「資産」「負債」「資本」の5つが重要
・B/Sから利益の算出について

3限:知的財産学入門
・企業のIntangible assetは80%を占める.
・知的財産+ビジネスモデル=企業競争力
・日本はたくさん特許があるけど,ビジネスモデルにつながっていない.

4,5限:企業経営論/技術経営論
・共通の言葉(経営語)を知っていることが重要
・日本のR&D/GDP は3.5%
・日本は科学技術立国と呼ばれているが,特定の分野に対する投資に偏っているため,必ずしもそうではない。

技術経営戦略学基礎(ブートキャンプ)の授業メモ②

4月6日(火)
2限:数理科学の基礎①
・最小二乗法・サンプリング定理・フーリエ解析・ウェーブレット解析
についての説明があった.

3限:数理科学の基礎②
・工学系を出た証として,数学・物理も努力をし,身につけてもらいたい.
・理解できる能力は,コミュニケーションする際には重要なこと.
・工学系とは近似の学問.

5限:情報科学の基礎①
・ベイズの定理
・Facebook:ユーザ数3~4億人
・Twitter:ユーザ数0.5億人
・最近日本ではTwitterは流行っているが,世界全体でみるとそこまで盛り上がっているわけではない.
・間接民主制はウェブによって変わるかもしれない.
・ウェブはベンチャービジネスと相性がいい
① マーケットに伸びがあり,進歩が速い
② 参入障壁が低く,ニッチから攻めやすい
③ 固定費ではなく,サーバや通信コストなどの変動費のみで済む

6限:情報科学の基礎②
・Perl,C言語によるプログラミングの基礎を復習.
・エージェント=自律的に行動する主体
・アナリシス(順問題)=自然の理解・シンセシス(逆問題)=人工物の創出
・アナリシス=存在(複雑な事物)を(分解して)理解する.
・シンセシス=新奇(複雑な事物)を(合成して)創る.
・創発:部分の単純性から全体の複雑な秩序が生成する.