2011年6月8日水曜日

Young Investigators’ Forum on Culture Technology 2011 遊びで社会問題を解決せよ!(総括編)



今回のワークショップが開催された都市はDaejeonは,
ソウルから電車で2時間ほどのとこにある.
韓国の理系トップ大学であるKAIST大学があるだけでなく,
科学EXPOが1993年に開催されるなど,
市内の儒城区にハイテク団地「大徳研究団地」を有しており,
科学技術都市として知られる.

トップ画像の写真は今回泊まっていたホテルからみえた景色だ.
高層ビルが少ないこのエリアで,光輝くこれらのビルの集団はひときわ目立った.
ビルには「Smart City」と書かれていることから,
おそらく国のスマートシティ政策に絡んでいたりするのではないだろうか.

総括として今回参加して感じたのは
「多様性を活かしながらユーザー・利用環境に適切な技術を考慮した
コンセプトデザインを促進させる仕組みの必要性だ」

異なる専門分野,異なる文化,異なる言語が生み出す多様性には
本当に無限の可能性を感じたのも本プログラムの特徴だ.
一方でこうした環境を最大限に活かしながら,
Appropriate Technologyを考慮した革新的なコンセプトを促進させる
「仕組み」の必要性も大きく感じた.

今回のプログラムの最大特徴は専門分野と国籍が多様であることであり,
それがいままでの発想の枠を一歩超えたイノベーションを生み出す源泉として,
有効活用できたと私は思っている.

しかし,そのためには各自が自分たちの強み・常識をみんなで共有することや,
母国語でない英語で積極的に発言・提案することが必要だったと思う.

また,今回は講評でAppropriate Technologyのコンセプトを
いかに考慮しているかが求められている一方で,
そのような視点をもつために必要になるフィールドワークなどができなかった.
その欠点に対するフォローがないと,
みながその点を意識せずにコンセプトを提案し机上の空論になってしまう気がした.

さらに本プログラムは全体的に自由度が高かったのにも問題があったと考える.
(対象ユーザー、問題、思考のフレームワークなどがなかった)

したがって今回のプログラムでは,
こういった思考プロセスを共有させる「仕組み」の工夫が必要であったと感じる.

その工夫についてだが,本プログラムと同時期にi.schoolで開催された
「インドのデマンドサイド・イノベーション」のワークショップのことを
後日シンポジウムで聞き,参考になると感じた3つのステップを記したいと思う.

① ダウンローディング(あらかじめフィールドワークで入手した情報を与える)
あらかじめフィールドワークで入手した情報を提供することで,
今回のように限られた時間や場所の都合でフィールドワークができないときにでも,
でてきた発想が机上の空論にならないような手助けになる.

② インスピーション・カード(各国の独自のプロダクト・技術からアイディア入手)
今回のように多様なバックグランドをもっているので,
あらかじめ自分たち文化で特異的なもの,
興味があるものの情報(写真など)をもってきて,共有する.
これにより、自分たちの多様性をうまく活かしたアイディアが出やすくなる.

③ スキットプレゼンテーション(ユーザーの気持ちになれる演技によるプレゼン)
パワーポイントによる発表も大事であるが,
自分たちが提案したコンセプトが実際に使用されたときにしっくりくるのか,
自分たちの体をつかって表すことで確認できると同時に,
観客にもコンセプトのイメージが伝わりやすい.

最後に.
参加者が多様性に溢れるとグループワークを行うのがそれだけ難しくもなるが,
その一方で,多様性だからこそ生まれる発想がある.
特に今回のように国による多様性も加わると,その可能性はさらに広がると思う.

そして韓国人の学生は非常に熱心であり,彼らと一緒に2泊3日過ごした日々は,
自分にとって大変刺激的で,本当に時間を忘れる楽しさもあった.
ぜひこの刺激を受けた想いは今後も大切にしたいと思う.



0 件のコメント:

コメントを投稿