2011年5月20日金曜日

東大生は異分子の強みを活かそうとした.第1回i.schoolワークショップ⑦




インパクトダイナミクスの強制発想のときの注意点について述べたが,
まだもう一つ問題が残る...それは...
各々がもつ強い「先入観」だ.

今回,農業法人サラダボウルの代表からすばらしい講演をしていただいた.
実際に講演では未来の日本の農業がどうなるかの考えも分けてくださった.

日本の農業を心の底変えたい!もっと農業を良くしたい!
そんな熱い気持ちが伝わってくる勉強になる講演であった.

一方で,そのカリスマ的考えがかなり印象に残ってしまい,
先入観として講演の内容が頭に思い浮かぶ状態になっていた.

私自身はそうであった.
自分の強制発想で出すアイディア時にも講演の話しが頭にあった.
チーム内の強制発想で出したアイデアをみていると,
やはりどことなく影響を受けているものが多く感じた.

今回は講演による先入観を紹介したが,
すでに自分たちがある程度の知識のある分野で強制発想する場合でも,
先入観による影響が十分に可能性としてあると思う.
この先入観を打開するためにどうするかが,今回紹介したいポイントだ.

そのポイントとは...
チーム内で少し違った考えをする人(異分子)の強みを活かす
ことである.

そもそもi.schoolにおける異分子は私からすると,
既存の状況や先入観に関係なく自分の意見を強く主張するような人だと感じる.
ちなみに相手からしたら,自分は先入観にとらわれた頭の固い異分子になる(笑)

重要なのは,異分子を異分子として話しを終わらせず,
イノベーションが起きるグループワークをするために覚えておきたい5つの心構え
の記事で紹介した「傾聴」を取り入れることだ.

強い先入観をもった人の斬新さを数値で”0”,(5人)
個人の奇抜なアイデアをもった人(異分子)の斬新さを数値”1,000,000”(1人)
と表した場合をイメージしてもらいたい.

5人がこの1人の異分子に傾聴することで,
彼のアイディアがあまりにも自分たちのものと比較しぶっ飛んでいるため,
いままでの自分たちのアイデアが先入観にとらわれ過ぎている.
そして斬新さに欠けていると感じることができるのではないか.
このように感じることで,もっと自分たちもぶっ飛んでいいのではないか!
という感じで先入観から脱することができるということだ.

再び私たちの班でのやり取りに戻って説明すると,
1時間の個人ワークをした後の段階では,
先入観が多く入り込み過ぎてしまい「面白い!」ってアイデアはあまりなかった.
しかし,チーム内の異分子から,
「やっぱりチームの特徴である畜生に関連するべきことをやるべきだ」
の強い主張があった.
「例えば畜生は合コンしたいから,絶対農コン!それ以外はない!」
みたいな強い主張でアイディアを出してくれたのだ.
はじめ半信半疑だった私たちだったが,彼のこの指摘に感化され,
畜生視点でどういう農業との未来があるか考えるようになった.
つまり,彼のおかげでチームの先入観に対するブレイクスルーができたのだ.
このように彼の強みである
「既存の状況や先入観に関係なく自分の意見を強く主張」
を活かすことで,私たち自身も先入観から脱してアイデアを出すことができる.
このように毎回なるかはわからない.
ただ既存のものにとらわれずアイデアを出したい場合には,
こういった異分子の存在が欠かせないことはたしかだ.
そして,その異分子の対して傾聴する姿勢もなくてはならない.
こうして我々は無事納得のいくアイデアを出すことができた.
続いてそのアイデアのブラッシュアップだ.

東大生は未来洞察シナリオを作成した.に続く...


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