初体験となった斬新な「スキャニング」についての紹介に入ろう.
「農業」に関することを一度捨てることを指示され,
180個におよぶスキャニングマテリアルから右脳を使い,
5~10個ほど選ぶ個人ワークを行ったところまでが前回のおさらいだ.
私たちのチームでは,その際にどういうところが直感的におもしろく感じたのか.
とにかくなんでもいいから,選択した背景をポストイットに書いておくようにした.
個人ワークが終わってから,はさみでマテリアルを切り離し,
トップ画像のように全員が見えるようにテーブルに置いて一度共有した.
そして共有が終わったところで,次のステップが全員が選択したマテリアルを
KJ法を用いて社会変化仮説の構築することだ.
その前に一度KJ法について説明しよう.
KJ法とは文化人類学者・川喜田二郎が開発した手法であり,
断片機なアイデアや定性データを統合し,発展的にまとめるものだ.
しかし,ここでこの手法を使用する際に注意しなくてはならないのが,
単にデータを整理・分類するだけにならないようにすることである.
これはKJ法ではない.
よりイメージを掴むために,ワークショップで紹介された事例を示そう.
いまチームで「関西に関係すること」をポストイットに書いてもらうことにする.
ポストイットには,「ボケ・ツッコミ」,「せんとくん」,「吉本興業」,
「橋本知事」,「間寛平」,「アニキ金本」,「グランド花月」が出たとする.
・KJ法ではないチーム例
あるチームでは,以下のポストイットをまとめ
「ボケ・ツッコミ」,「吉本興業」,「間寛平」,「グランド花月」
を「お笑い」とグルーピングした.
しかし,これは言葉尻や単純な属性でのグルーピングであり,
KJ法ではなく,ただの整理だ.
・KJ法の使用したチーム例
一方であるチームでは,同じポスイットから
「せんとくん」,「橋本知事」,「間寛平」,「アニキ金本」
を「ど根性で日本を元気に!」とグルーピングした.
これは各々が考えた未来像の背景から,
「新しい意味・隠れた意味」を見出しているグルーピングしたKJ法だ.
チーム全体で共有されたスキャニングマテリアルから,
そのマテリアルが着目された理由や背景が似ている,
および関連しているものをKJ法を使ってグルーピングし,新たな意味付けを行う.
そしてそれを記入シートにまとめることをチームで行う.
このシートには以下の4つのポイントを埋める.
①タイトル
②概要
③変化のポイント いままでは,”○○”→これからは,”△△”
④兆しの背景となる事象・仮説(スキャニングマテリアル)
今回も私たちのチームで出たアウトプットを紹介したいと思う.
①”インスタント化する畜生”
②この世の中は”金”などの欲を重視した考えの人が増加
③いままでは,”心によるギフト”→これからは,”金によるギフト”
いままでは,”努力して貴族”→これからは,”貴族をお金で買う”
④資格や称号などのステータスがネットオークションで売られる
人間関係でストレスを抱えた人のための「褒める」サービス
と,これだけだと少し偏っている感じがするので,
他にもタイトルだけを紹介すると,
”あなたがくれた偶然の発見がPriceless”
”みんなのモノは俺のモノ”
などなど...
実はこのスキャニングに関しては,私たちのチームではかなり議論が白熱した.
それは”インスタント化する畜生”は,チームとして全く考えていなかったものの,
メンバーの一人がどうしてもこれが重要だ!ということで,
みんなの意見を押し切って発表するというハプニングがあったのだ(笑)
これが後々私たちの方向性を強く支えることになるのだが...
これが後々私たちの方向性を強く支えることになるのだが...
それはさておき,
こうして無事(?)スキャニングによる社会変化仮説の構築は終わった.
いよいよ次は,
「一. 未来イシューの設定」と「二. スキャニングによる社会変化仮説」を強制的に掛け合わせることで,
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